ープロローグー
その町は、誰の心の中にもある。
記憶の中で歪められ、継ぎ接ぎされ、
形すら変えて生き残る、思い出の町。
過去に確かに存在した筈なのに、
いつの間にか地図上からも、消えてしまった町。
さあ、あの町へ帰ろう。
思い返せばいつでも帰れるあの町に、
あなたも少しだけ、戻ってみませんか。
「きおくのまち」へ、ようこそ。
2009.5 佐原叶夜